俺、共犯者と秘密共有中。

「あー、えーと、……うん、まだ確定ではないんだけど、さ。」


 慌てて弁解すると、美咲ちゃんは少し表情を和らげたが、俺の腕を両手でがっしりと掴んできた。


「……やだ。純平くん居なくなったらわたし、やだ。」


 澄んだ、真っ黒な瞳が、不安げに俺を捉える。


 その上目遣いに、俺は頭がくらくらした。


 ……でもこんなこと言うけど、この人は、もう。


 正気に戻った途端、虚しい気持ちが俺の中に芽生えてきて、俺は美咲ちゃんの細い肩に手を置いて、自分から引き離した。


「……カレシ、居るんだから、カレシ以外の人にそういうこと言うの、やめたほうがいいよ。」

「え……。」


 俺の言葉に、美咲ちゃんは表情を強ばらせる。


「昨日、……聖也から聞いたんだ。」

「……」


 俺が無理矢理微笑みながら続けると、美咲ちゃんは俯いてしまった。


 ……普通、こういう時って、照れ臭そうに笑ったりとか、するもんじゃないの?


 それとも俺、……表情に何か出てる?


 美咲ちゃんも黙ってしまったし、この話は俺にもダメージは大きいので、これ以上続けるのはやめた。


「……でも、俺、美咲ちゃんが嫌だっていうなら、バイト続ける。」


 すると、美咲ちゃんは首を擡げて、ホッとしたように笑った。


 俺はその笑顔だけで、もう十分だと、思うようにした。


 ……ホント、単純なんだな、俺。