数日後、憂鬱な気分でバイトに向かった。
「おはようございまーす……。」
いつもなら幸運だけど、……今では不運なことに、美咲ちゃんとシフトが被っている。
というか、遭遇率が高い。
学生だからか、頑張り屋さんだからか、土日に入るとだいたい居る上に、愛想も良くて、都合がいい時に利用出来る美咲ちゃんは、店長のお気に入りだ。
さらに言うと他のバイトの子も、代わってほしい時にはみんなだいたい美咲ちゃんに声をかけていた。
美咲ちゃんはそれを快く引き受ける。
ああ、そういうところも好きだなあ、……嫌な顔ひとつしないで、笑顔でいいですよ、って。
……俺、重症かもしれない。
だめだ、忘れた方がいい。
狭くてひとつしか無い使用中の更衣室の前で深いため息をつくと、ちょうど鍵が開いて、美咲ちゃんが出てきた。
「なんかおっきいため息聞こえたと思ったら、純平くんだった。……何かあった?」
不意打ちだった上にこの間のことを思い出し、俺はつい憂いを帯びた顔で、彼女を見つめてしまった。
「いや、なんでも……。」
すぐにハッとして引きつり笑いを浮かべると、いきなり顔に手が伸びてきて、頬っぺたをつねられた。
「そっか!でも無理はよくないからね。」
そしてその手はすぐに離れて、そのまま俺の隣をすり抜けると、美咲ちゃんは俺の背中を軽くぽんと叩いて行ってしまった。
……ああ、可愛い。
元気がない俺に何があったのか聞いてくれて、隠そうとすれば深くは追求せず、ああやって元気付けてくれる。
やっぱり美咲ちゃんは、俺の心のオアシスだ。
これからどうやって、あの人を忘れればいいのかわからない。
「おはようございまーす……。」
いつもなら幸運だけど、……今では不運なことに、美咲ちゃんとシフトが被っている。
というか、遭遇率が高い。
学生だからか、頑張り屋さんだからか、土日に入るとだいたい居る上に、愛想も良くて、都合がいい時に利用出来る美咲ちゃんは、店長のお気に入りだ。
さらに言うと他のバイトの子も、代わってほしい時にはみんなだいたい美咲ちゃんに声をかけていた。
美咲ちゃんはそれを快く引き受ける。
ああ、そういうところも好きだなあ、……嫌な顔ひとつしないで、笑顔でいいですよ、って。
……俺、重症かもしれない。
だめだ、忘れた方がいい。
狭くてひとつしか無い使用中の更衣室の前で深いため息をつくと、ちょうど鍵が開いて、美咲ちゃんが出てきた。
「なんかおっきいため息聞こえたと思ったら、純平くんだった。……何かあった?」
不意打ちだった上にこの間のことを思い出し、俺はつい憂いを帯びた顔で、彼女を見つめてしまった。
「いや、なんでも……。」
すぐにハッとして引きつり笑いを浮かべると、いきなり顔に手が伸びてきて、頬っぺたをつねられた。
「そっか!でも無理はよくないからね。」
そしてその手はすぐに離れて、そのまま俺の隣をすり抜けると、美咲ちゃんは俺の背中を軽くぽんと叩いて行ってしまった。
……ああ、可愛い。
元気がない俺に何があったのか聞いてくれて、隠そうとすれば深くは追求せず、ああやって元気付けてくれる。
やっぱり美咲ちゃんは、俺の心のオアシスだ。
これからどうやって、あの人を忘れればいいのかわからない。

