俺、共犯者と秘密共有中。

 でもその決心のせいか、なんだかだんだん美咲ちゃんの顔が見れなくなってしまった。


 俺は誤魔化すようにひたすら黙々と肉を食べる。


 聖也は隣で、白ご飯にがっついていた。


「あ、聖也くんご飯粒付いてる。」

「え、どこですか?」


 美咲ちゃんが自分の頬の右側を指差して言い、聖也が左側、……ご飯粒が付いているほうとは逆の方を触る。


 もどかしくて取ってやろうかと手を伸ばしかけたところで、聖也の正面に座っていた美咲ちゃんの手が先に伸びてきた。


 そして美咲ちゃんはその手でご飯粒をすい、と取り、それを口に含むと、妖艶に微笑む。


「ありがとう、ございます……。」


 聖也は独り言のように小さな声で、俯きがちに言った。


 聖也の反応、美咲ちゃんの綺麗な笑顔、……俺の中の黒いシミは、どんどん広がっていくばかりだった。