私の脳裏には、すぐに山内さんの顔が浮かんだ。 はっと我に返って、気づいたら中山くんを突き飛ばしていた。 「…あっ、ごめんなさい」 とっさに謝ると、中山くんが笑った。 「な、なにっ!?」 「だって…俺に勝手にキスされてんのに、突き飛ばして謝るって…」 「あ…」 そうだ。私なんで謝ってるんだろう。 これじゃまるで……