やっと放課後になった。
みんなが帰っていき、教室には私と中山くんだけになった。
あと1時間で山内さんが下校時刻を知らせるとともに、校内確認をしに教室を見回りに来る。
「えっ!毎日、下校時刻まで残ってるの!?」
「うん。山内さんが来るのわかってるから。少しでもお話できるでしょ?」
「すごいね。ほんとに山内さんのことが好きなんだね」
「……うん」
初めて山内さんを好きってことを男の子に打ち明けた。あとは仲良しの紗羅(さら)以外、知らない。
「それで、中山くん!今日話してた二人の会話の内容って!?」
「その前に、条件」
「えっ!?」
そんなこと聞いてない……。
「王様ゲームやったつもりで、僕を王様として、命令をひとつ聞くこと。簡単でしょ?そしたら、教えてあげる」
「…変な命令じゃなければ…」
「王様ゲームやってるつもりでだよ?なんでも聞くって言わないと教えない」
ぅぅぅ…これは聞くしかない……。
さすがに中山くんのことだから、変なことはしてこないだろう。
ただでさえ、中山くんは女関係の噂も何も聞かないし、周りに逆に冷やかされるくらいだ。ジュース買ってきてとか、そんな命令に決まってる。
「じゃあ、とりあえずジュース買ってきて」
おっつ……的中。
「とりあえずって、なに?命令はひとつでしょ?」
「ジュースを買ってくるのは命令じゃないよ。準備。ほら、はやく」
しぶしぶ、中山くんのご指定、缶のカフェオレを小走りで買いに行った。
お疲れ、と言うと、私を自分の隣の席に座らせた。……想像したくないけど、なにか嫌な予感……
