店を出て、
煙草を吸っていたら、

案外、淳志さんは、はやくきてくれた。


淳「おまたせ!」


梨「いや、全然まってないです!」


淳「じゃあ、家おくる!

ほれ、ヘルメット!」


カチッ



梨「ありがとうございます!」


淳「ちゃんと捕まっててな!」


梨「はーい!」



ブォンブォン





またこの感じ。

何故か、淳志さんの後ろは、

物凄く安心できた。



暖かい…



やば、涙でそう。

我慢。










淳「あい、ついたよー!」


梨「今日は送り迎えしてもらって

本当にありがとうございました!

楽しかったです!」





やばぃ、はやく部屋に…


淳「おう!

またな★」



そう言って笑いかけてくれる
淳志さんに、じゃあと言って、

逃げるように家の中に入ろうとしたら、




淳「梨乃。

無理すんなよ。

何かあったらすぐ連絡してこいな」



今までは、友達にこんなこと言われても、

笑ってうけながしたり、

ありがとうで誤魔化したりしてた。

だけど、淳志さんの言葉は

素直に心に響いた。


何故かわからないけど、

淳志さんの声は妙に

私を安心させてくれる。







涙を我慢できず、

背を向けて涙を流した。



梨「あ…りが…とうござ…います。

じゃ、じゃあ、また連絡しますね」


必死に笑顔をつくり、

家に入った。



お母さんが話しかけてくれたけど、


それどころじゃなくて、

走って部屋に言った。




ガチャ





バタン





「うわぁ…ぁん」



なんだろうこの気持ち。





今まで誰にも開いたことのない心を、





簡単にこじ開けて、






空っぽな心を埋めていく。







何か、リミッター外れたように






1人で泣いた。









2時間経って、


やっと落ち着いた。





ため息をつき、煙草に火をつける。






久々にこんなに泣いたな…。






フゥーーっと、白い息を吐き、




ぼーっとしていた。






淳志さんが、ずっと頭から離れなかった。




駿は、私と本気で向き合ってきたことがない。




興味がなかったんだろう。







でも淳志さんは、





そんなに日が経ってないのに、






私と本気で向き合ってくれた。







今まで、本当の友達と呼べるのを

つくったことがない私は、






淳志さんのあの言葉が、




本当に嬉しかった。





うわべの言葉じゃなく、







真剣な言葉で。











「淳志さん…。」







そう呟き、眠りに落ちた。