「ったく……なんでこいつと……」
露骨に嫌そうな顔だなぁと思いつつまあまあ、と宥めるがあまりに氷見さんが静かであることに気づく。
少し伺うようにそちらを見ると少ししょんぼりと意気消沈したようにぎゅっとスカートの端を握った。
何かに耐えているみたい。
心配になり声をかけようかと迷っていたところで綿貫が言う。
「まあでも?いんだから仕方ねぇし、遊ぼうぜもう」
ぶっきらぼうな口調ながら少しの喜色を滲ませている。
自分でいっぱいいっぱいで、そうなってしまうのは分かるけれど。
ちらり、と氷見さんを見る。
と。
「はあ?!何よその態度!意味わかんない!それだから馬鹿なんでしょ!」
いつもの調子。
あ、とハッとした顔になった。
やってしまった、って思ったんだろうな。
綿貫が口を開こうとした時、私が二人の背を押して早く行こう、とそう言外に伝えることになった。
