「未来、手出してみ」
「げっ。」
「なんだよげっ、て。ほら抜き打ちテスト」
素直に手を差し出すとふわりと目を細める。その姿に毎度、きゅっと胸が締め付けられドキドキするのだ。
「お前…サボったな。」
「え!?」
「これ、ささくれ。クリーム塗ってねぇだろ」
「…い、いやぁ…今は少し切れてまして」
ギロリと鋭い目線が私を見つめる。まさに、蛇に睨まれた蛙。こわい、こわいですよー。
「ったく、どうせこの後俺家来るんだろ?クリームとマッサージやってやる」
「あざっす!!」
「うっせ!耳元喋んな!!」
にしし、と笑うと呆れたように笑う。
久しぶりのハンドケアに嬉しさが隠せない。徹のマッサージはとても気持ちがいのだ。