なに?とめんどくさそうにこちらに向ける。
自分の用がすんだなら、関わりたくないってか!?
「お礼、しろよ!!!」
「……お礼?」
そうだ!と声を張れば、耳を塞ぐ。その行為にカチンとアタマに来る。
こののっぽ野郎!!こいつが投手!?ふざけんな!
「球、受けてくれよ!!!」
にんまりと笑みを向ければ、大きくため息をついた。
あ、こいつ絶対女でしょ?みたいに思いやがったな。
中学の時もそうだ。女だからと言って最初は相手にされなかった。けれども、徹とのバッテリーを見せれば、誰もが口を閉じる。
徹とのバッテリーは最強。
自分が、力が、いつも以上に発揮できる。
アンタの前でしかできないんだ。
「それって、やらなきゃだめ?」
「当たり前だろ!今からな!」
ぼそりと部活の前ならばと呟いた。