一瞬の出来事についていけない。
なんで、どうして、徹はあそこまで。
甲子園に女は行けない。
女は野球ができない。
そんなこと、一番自分が分かっている。
それでもアンタと野球がしたいから、ずっと近くにいたから、同じ場所を選んだのに。
『お前とは野球なんてやらない。一生。
なんで、どうして、そんなこと言うの。
小さい頃からずっと近くで見ているから、わかってしまう。先程の、徹の真剣さが。
多分、一生、野球をしてくれない。
ミットにボールが収まる音。放つボールの感覚。ワクワクした徹の瞳。
あのポジションだから見れる優越感。
もう、みれないかもしれない。
「…うそだぁ、」


