その後ろ姿はずっと、小さい頃から見ている。




アンタがどれだけ野球を好きか、ってのを。



馬鹿みたいにがむしゃらに練習して、ワクワクした顔でスコアブックを見返して、本当に野球のことしか頭にない馬鹿。

その馬鹿の影響を受けた、同じ馬鹿の私。
構ってほしくて、一緒にいたくて、受けてほしくて、アンタの真似して野球を始めた。






初めてキャッチボールしたときの感動は忘れられない。ボールがミットに収まる音、放つボールの感覚。そして、アンタの活き活きした顔。



『良い球もってんじゃん。』




忘れられなくて、もう一度受けてほしくて。アンタと同じように野球を始めた。

小さい頃からアンタの努力も、根性も、すべて知っている。野球に対する貪欲さもすべて。