その日の放課後 屋上につながる階段を登ろうとする瀬良君を見かけた。 とっさに近くの柱の陰に隠れた。 屋上…行くのかな。 落ち込んだときとか一人になりたいときに 屋上に行くって言ってたっけ。 今、どんなこと考えてるのかな。 屋上へ登ろうとする彼の横顔は 凛としていて美しくて やっぱり少し悲しそうだった。