オレンジの世界


「………寒い。」

「あ、はい。マフラー。ありがと。」

瀬良君は紙袋から出したマフラーを無造作に自分の首に巻きつけ

「ね、後ろで結んで。」

と、私に背を向けた。


私は背伸びをして
瀬良君のマフラーに手を伸ばした。

なんか…
カップルみたい。

…なんて思ってみたり。