オレンジの世界



「行ってきまーす。」

瀬良君のマフラーをしっかり持って
いつもと同じ時間に家を出る。


瀬良君に…早く会いたい

…かも。




なんとなく早足になりつつ
駅へと向かった。

「…………え?」


駅の改札に入って一番に目に付いた、同じ学校の制服を着た男の子。
白い息を吐きながら、男の子はこっちに向かって微笑んだ。

「おはよう、結菜ちゃん。」