でも、まだ豊野と精霊の森のことがわかっただけで、事件との関連は見つかってない。

本題はまだこれからだ。

しかし、豊野は危機に陥っていた。

「レイ…私はなんでもする…私にはここが必要なの…」

豊野はガチのほうで泣いていた。

精霊の森は豊野にとっての本当の家なのだ。

家に詰まっているもの。

それはそんなに簡単に捨てられるものじゃないと思う。

「家族と喧嘩して」とか「親が◯◯して」とかよっぽど嫌いなことがあるのは別問題だが…

家には家族との思い出、自分の落ち着ける場所。

でも、いいことだけが大切なものではなく、そこであった苦労したこと、涙したこと、それも大切な思い出だ。

家に詰まっていることは目に見えなくても、心の支えになってくれるもの。

私は捨てたくない。