豊野についていくことに必死で、自分が今どこにいるのかなんてわからなくなってしまった。

逆に私は豊野にはめられているのではないかと思った。

豊野は私が尾行していることをすでに知っていて、私を迷わせるためにここまで歩いているのかもしれない。

ただ、豊野が私の存在に気づいているとは思えない。

気づいているとすれば、ここまでで少なくとも一度は振り返るだろう。

学校を出てから、豊野の正面から見た顔は見ていなかった。