豊野さんはどこ?

そんなとき、織花が私に聞いてきた。

「あのさ…なんか…変じゃない?」

「えっ?…私?」

ふと、自分のことかと思った。

しかし

「違うよっ!…美宇ちゃんだよ…」

豊野のことだった。

ちなみに私は未だに豊野さんと呼んでいるが、織花は美宇ちゃんと呼んでいる。

「変って?」

「なんか…隠してるっていうか…?」

隠してる?精霊の森のことなのか?

「だって、普通なら帰りにちょっとジュース飲むとかするでしょ?なのに、美宇ちゃんは一回も着いてこないじゃない。」

いや、そんな人はいくらでもいると思うが…

正直それは織花の思い込みだと思った。

織花は女子高生はみな、帰りにジュースを飲むのだと言いたいだけなのだ。