私は思い切って、豊野に声をかけた。

「あのさ…」

話すこともなく、戸惑った。

「ごめんね。勉強、集中したいから…」

豊野は優しい言葉で私を追い払った。

勉強に集中したいって、勉強してないし。

意味わからん…

「今日、どっか行かない?」

とっさに出た言葉だった。

特に仲良くなりたいわけでもないのに。

「どこかって…?」