辺りを見回しても、豊野という苗字の家はなかった。
先生が間違えて私に言ったのかもしれないし、どこかで変わってしまったのかもしれない。
その日は諦めて、素直に家に帰ることにした。

次の日、先生にそのことを言った。
すると、先生は
「そんなわけはないんだがなー?」
と言った。
「じゃあ、今日はもう少し探してみるので、もう一度住所を教えていただけますか?」
そう言って聞いた住所は昨日とは違う住所だった。