「何の話しだったの?」
織花に聞かれた。
でも、詳しくは言ってはいけない気がした。
だから
「ちょっと、進路のことで」
って言っといた。
進路のことなら、完璧に個人の問題だから、誰も踏み込んでこない。
「茶槻…顔、暗いよ?」
「そうかな…?」
私は思わず自分の顔を触った。
「悩みごととかあるの?」
「えっ…?」
ないと言ったら嘘になる。
それでも、このことは絶対に言えない。
成海をせめてでも…守りたい…っ!