豊野さんはどこ?

「奏太がどうしたんだ?」

奏太…

柊とは呼んでない。

でも、豊野のことも“美宇”だし、変ではないか…

むしろ、ここでは普通かもしれない。

レイの淡々とした態度に驚きながら、私は応えた。

「柊は私たちのクラスメイトなの。それで…」

「あいつからは獣の匂いがした。しかも、あいつにはレイと同じオーラを感じる。」

「柊は精霊の森となにか関係があるんですか…?」

掛け合いみたいになってしまった。

私は正直、レイの答えを聞きたくなかった。

聞いてしまったら、今までが無駄になってしまうような気がしたからだ。

柊との時間は全て泡になる。

でももし柊が精霊の森の人間だったら…









事件とも関係があるかもしれない。