豊野さんはどこ?

その日の帰り道。

運良く豊野は私たちと一緒に帰ることになった。

私たちというのは私と織花のことだ。

でも、3人で帰るといっても、織花が延々とひたすら話しているのだ。

クラスメイトのこと、昨日やってたテレビのこと、芸能人のスキャンダル…

正直、私も豊野も興味がなく

「そうなんだー」

とか

「へぇー」

とかあいづちを打つだけだ。

そのとき、柊の頼みをふと思い出した。

「あのさ…」

2人が私を見る。

織花になら聞かれてもいいかなって思った。

あとでメールで頼めば、黙っててくれるだろう。

「豊野さんって柊のことどう思ってんの?」

「直球だねー!!」

織花のツッコミは無視して…

「どうって…?」

豊野はしらばっくれてた。

「いや…最近柊と仲いいじゃん?だから…もしかしてって思ってさ…」

「えっ?もしかして、古見川さんって奏太くんのこと好きだったの!?」

「はっ!?そんなんじゃないしっ!!」

話が変な方向にいってる気がする…

本題を聞かなきゃいけないのに…