好きやねん

自分の席に座り、ふと窓の外を見ると

(あ…あいつら同じクラスか…)

窓の外には、
隣どおしで並んで歩く二人の男女の
姿だった。

(いや、もう俺には関係ないし…)

そう思い、カバンから本をとりだした。

「さて、目立たず、地味にしないと」

こんな風にしようと思ったのも、
さっきの二人のせい…といっても
おかしくないと思う。

もう、あんな思いなんかしたくない。