「なんでもねーよ。って聞いてねぇし。」

何も入ってないカバンを持ち直して教室に入る。


「アオ!アオ!」

入口の目の前では、クロが大興奮している。


「クロ、邪魔だよ」


そんなこと言っても、クロにはもう聞こえてない。


「俺がさっき言ってたかわいい子!同じクラスだぞ!」


「へー。」


何をそんなに興奮するか俺にはわからなかった。


そう、彼女を見るまでは。