桜が舞い散る3月。別れを惜しむ季節に、俺はひとり、ある場所に向かっていた。 大きな木の下にベンチがある。 ベンチのすぐ右側に持ってきたシャベルで穴を掘る。 だんだんと見えてくる錆びたお菓子の缶詰。 俺はそれを掘り起こし、静かに中の手紙を開いた。