「でも光汰さんが言うのは当たってる」


「玲也?」


玲也の言葉に、私に抱きついている麗の力が強くなった。


「姉さん、ここは学校だよ?男口調…どうしたの?」


静かに、ゆっくりと告げられたその言葉に、私は目を見開いた。


玲也の言う通り、ここは学校で、白龍や轟もいる。


そしてお父さんの命令でいるここにいる私は、白龍を守るために〝柚瑠〟としてここにいるんだ。


〝女〟とバレてはいけないこの現状で私は仮面を外してしまった。


「…あゆねぇが変なのと、コタさんを避けているのは関係あるの?」


「ぅっ…」


痛いところを突くね…。


「やっぱりそうなんだ。嘆く光汰さんとは反対に、龍哉さんは普通だったしね」


「えっと、それが?」


龍哉が普通だったのと関係あるのかな?


というか、光汰…嘆いてたんだ。


男はそんなに簡単に涙見せてはいけないのに。


そう思う反面、泣いてくれてるのが嬉しいと思う私もいる。


だって泣いてるってことは、寂しいって思ってくれてるからでしょ?


私を…必要にしてくれてるからでしょ?


これ程嬉しいことはないよ。