「ユズ、何突っ立てるの」


ユウがこっちに来てるってことは、だいぶ倒せたみたいだね。


私、まだ2人しか倒してないんだけど。


暴れ足りないんですが。


…あれ、そういえば。


「ねぇ、あいつがいないんだけど」


「え?」


ユウも気づいてない?


てことは気配を消している?


でも気配を消すってことは、何かをやらかすつもりだ。


早く探さないとっ。


何かが起こってからじゃ遅い。


そう思っていた時だった。



「麗っ!!!」



玲也の焦りを含んだ叫び声が聞こえてきたのは。


「ユズ、あれ!」


「なっ?!」


視線の先には、さっきまでいなかった修平と、修平に捕まっている麗の姿。


周りには玲也もいて、2人を睨んでいる。


あいつ…気配を消していたのは麗を捕まえるためかっ!