さっきよりも落ち着いた麗のサラサラの髪をゆっくりと撫でる。


家族は大丈夫でも、あれ以来仲の良かった友達との間にまで壁を作っていた麗。


だけど、ここにいる麗はしゃべりはしないけど、その顔はとても楽しそうで、私はすごく嬉しかったんだ。


あの笑顔がまた見れるって。


すっごく嬉しかった。


「だけどね、援護は必要ないよ」


麗に仲間がいるように、私にも頼りになる仲間がいるから。


「どうしてや?!こんな大人数、ゆー君だけやったら負けてしまうで?!」


「そうかもね」


「どうしてお前はそんなに余裕なんだ?」


龍哉には余裕に見えているんだね。


でも確かに余裕がある。


だって私には聞こえてくるから。


こっちに向かってくる力強い音が。


「あれー?!もう始まっちゃってるんですか?!」


「…出遅れた」


「これでも飛ばした方なんだけどね」


やっときた。


私の大切な仲間。