「さてと、今の現状をもう1回最初から整理しようか」


そう言い、チラッと横目で見ると、すでにファイルを手にしているユウ。


相変わらず分厚いファイル。


でもあのファイルにはいろんな情報が乗っている。


「ユウ、お願い」


「了解。轟の狙いは白龍で、組をも使って潰そうとするその姿勢に組長は、街の安全を守るため、正統派の白龍を守るために柚瑠に命令した」


そう、あの命令で全てが変わったんだ。


黒狼だけが私の居場所だったのに、今では白龍は〝俺〟の居場所となっている。


守るものが増えた今、私は何を求めるのだろうか。


力?それとも…。


「轟は白龍を、そして黒狼を潰す準備に入ったみたい」


「ユズさん、それについて組長はなんて言ってるんですか?」


びしっと真っ直ぐ手を上げる下っ端。