桃の姫〜最強姫の愛した族〜

「っぅ…」


口の中が切れたのか、口から血が出ている。


それを手で拭いながら、膝に手をつき、龍哉はゆっくりと起きやがる。


ずいぶん痛そうにしているけど、起きやがる体力はあるのか。


1発で終わらせるつもりだったんだけどなー。


意外としぶといみたい。


「お、おいっ!血が出てるやん!大丈夫なんか?!」


「あ?これくらい大丈夫だ。にしても桃姫。予想以上の強さだな」


龍哉の言葉に、口の端を上げる。


「まぁ、だてに黒狼の総長はやってないからね」


黒狼の総長がこんなところで負けるわけにはいかないし。


勝ち負けを決めるためにケンカしてるわけでもないけど。


それでも、周りはそうは思わない。


自分が見たもの、聞いたものだけを信じるからね。


だから噂を簡単に信じる奴らが多いんだ。