「……え…?」 "結婚"? あなたの手を見た。 左手の薬指にはめられている指輪。 「……。」 言葉が出ない。 あたしはただあなたの指で輝く指輪を眺めるだけ。 「…ひとみ?」 「…」 「……ごめん」 謝られれば、謝られるほどむなしくなる。 もう涙さえ出なかった。 あたしは何のために颯太を待ち続けたんだろう。 なにを期待していたんだろう。 何もかも、ばかばかしくなってきた。