「じゃあな」
「…………うん」
ガラガラガラ
ドアを閉め、空き教室に背を向けた
なんで?
なんで言えなかった?
違う、冬樹を探してたのって
あ、違うか……言えなかったんじゃない。
逃げた……
これ以上冬樹に拒絶されたくなくて、逃げたんだ。あたし……
「………………っ」
皆に、背中押してもらったのにっ
何やってんの?あたし……
約束、したじゃんっ……伝えるって……
このままでいいの?
〝あかり、お前って本当にドジだな~〟
〝おい、こいつ俺のだから〟
〝バーカ〟
冬樹っ
伝えたい、伝えなきゃ!!
この想い全部、伝えなきゃ!!!!
「っ!!!」
あたしは踵を返し、もう一度空き教室へと走った


