先ほど東雲が口にしていた決まりとは、この邸が基本的に【男子禁制】であることだった。
苑依は斎宮として役目を受け入れた時、異性との接触の一切を絶たれる。
先ほどの雪也とも誘拐などされなかったら、互いに顔を見る機会はなかっただろう。
東雲の事情聴取も文を介して行われるため、ヤツが億劫になるのも無理はない。
話を聞いた柚月は、尋ねずにはいられなかった。
彼女は、辛くないだろうか。
それは恋はもちろんのこと、自分を助けてくれた相手に感謝さえ伝えられないのだ。
「自分の身体を眠らせてまで……」
理不尽な役目と掟。
彼女は、あまりにも平然と受け入れていないか。
東雲もそうなのだろうか。
部外者の自分が考えても大きなお世話だろうが、柚月は気になって仕方がない。

