これが東雲なら素通りしてやるが、相手が宗真となるとついつい手を貸してしまいたくなる。 【月鎮郷】へ来る度、なにくれとなく世話してくれる彼は、柚月とって心が休まる数少ない人物だ。 思わず、足がまた彼に向きそうになる。 すると、背後から低い声音で呼び止められた。 「早く、こっちに来い。不細工」 「冷血漢は黙ってなさい! すぐ戻る!」 柚月は怒鳴るなり、宗真を助け起こしに向かった。