「さっちゃんおはよう!制服どう?笑」

つい、自然とハイテンションになってしまう。

真新しい制服姿の友達、沙月を見つけるときゃあきゃあ言って詰めよった。

「やっぱりN高の制服はダサいね、笑
わかってたんだけど改めて着るとね〜」

「あーわかる!」

そう、私達がこれから通うN高は地元どころか県内でも有名な伝統校。

だから、その伝統よろしく、随分前のデザインでとてつもなく現代の私達にとってはダサい。

それでも進学するのに必死だったのは偏差値が高いのもあるけれど、N高と言えば生徒同士が仲良いことで有名でもあった。

その為、私も沙月も制服にはさほど期待は最初からせず、既に想像している高校生活のお喋りに花を咲かせて高校への長い坂を登り始めた。