あの後、遼の後ろに乗って家まで帰る。
ちゃっかり安全運転な遼。


家の前では私が中に入るまで見送ってくれてて、逆に私が入りにくいっつーの!って思った。


遼との新しい関係に戸惑いつつも、西谷先輩の事を考えると


「これでいいのかも。」

「これでいいんだ。」



自己完結して。



私はお母さんのところには行かず自分の部屋へ行く。


『日奈ー!帰ったのー?』


下から聞こえるお母さんの声を無視して、枕に顔を埋める。


これから、大丈夫だろうか。


よぎるのは遼の顔で、あんな切なそうな顔の遼は初めてだった。