「んん。」

『起きたか?』


西谷先輩が私を見下ろしていて状況が把握できない。


そして、見慣れたベッドに横たわっていることに気がついた。


「私、西谷先輩に運んでもらっちゃったんですか?迷惑かけてすみません。」


『迷惑でもなんでもない。』


そっぽを向いてモゴモゴ答える。
耳が赤くなってることには触れないでおこう。


『鍵が掛かってて、親御さんがいないみたいだったから、勝手に上がらせてもらった。』



「え?どこから?」


『それにしても、お前は無用心だ。ここの鍵。いつも開けてるんじゃないか?』


西谷先輩が指を指すのはコータの家に繋がるベランダで状況を把握できない。


何で知ってるの?

ここの鍵はコータがいつでも帰ってこられるように開けてる。
また、遊びたいっていう願いを込めて。


ここは2階だから脚立がない限り上がれないんだけどな。