「あれ?五十嵐くんだ」
小さく呟いた秋月の言葉に
俯いていた顔を上げる
こちらに気づいた五十嵐と目が合う
「あぁ、水斗」
「おう」
短い返事をして
すぐにおかしい事に気づいた
こいつなんで1人なんだ?
「おい、お前班は?」
「あぁー…」
と、歯切れの悪い返事をする五十嵐
「琴葉はどこだ」
もう一度聞くと
「ちょっともめてね
だってさ、琴葉ちゃんってなんていうか
危機感ってものがないよね
朝だって
見ず知らずの人についていこうとしてさ」
見ず知らずの奴に…
「平気だったんだろうな」
「心配し過ぎだよ
大丈夫、ちゃーんと中華街までは
一緒に来たよ」
琴葉のことだ
人を疑うなんてしないんだろうし
親切にされたら簡単に信じかねない
今回ばかりは五十嵐に感謝した
