暑い熱風の風が窓から入ってきて、そっと慰めるかのように私の髪を揺らした。



もう、私の髪は前のように靡かない。



男の子が近寄って来る事も無い。




ただ、吹いてきた風につられて小さくサラサラと揺れるだけ。




それは何故なら、私自身が原因と言っても良かった。




あの日、私は泣きながら寮を抜け出して、近くの散髪屋に足を運んだ。




そして、中学校の間ずっと伸ばし続けてきた胸元まであった長い髪を、その日のうちにバッサリとベリーショートに切った。




最初はもちろん、驚いた。



一瞬、誰かと思って目を疑った。



人間、髪型を変えるだけでこんなに見た目が変わるものなのか、と。




私のイメージは、髪を切ってガラリと変わった。




長い時は、もうちょっとフワッとした印象だったのに。



短くしたら、いきなり顔がキリリと決まって、ちょっと近寄りがたい雰囲気を出していた。