私はボーッとしていた。
ざわめきが途絶えない教室。
楽しそうな笑い声。
会話が弾む女の子たち。
魔法でふざけ合ってる男の子たち。
皆がカラーの景色で幸せそうに笑い合っているのを、ただボーッと遠巻きに見つめていた。
私の景色は、モノクロに染まったまま。
…いつか、カラーに色付く時は、来るのだろうか。
そんな中、ふと横に目を行かせると、嶺岸くんと楽しそうに笑っている一人の姿が目に入った。
…見たくない物を見た気分だった。
彼の名は、境本優多。
私を裏切った奴。
…何でこんな卑屈な言い方をしてしまうのかな。
今改めて思えば、境本くんは何も悪くないのに。
私が一方的に自己中なだけなのに。
彼のピュアな心に、私が土足でドスドスと踏みつけて、傷付けてしまったのだ。
一言で言えば、最低だ、私。
今さらながら、激しく後悔した。


