もうすっかり暗くなってしまった公園。
――茄月が帰ってから、何時間位経っただろうか。
こんな時間になっても、俺は待ったままだった。
愛しの君を。
あんまり遅いから、俺からメールを送ったんだけど、返信が無かった。
続いて、電話を掛けたら、すぐに呼び出し音が途切れた。
『………もしもし…?』
君の声が、聞こえた――。
でもどこか、その声は儚げだった。
「牧野さん、今どこっ?」
俺は慌てて場所を聞いた。
なのに―――君は答えてくれなかった。
俺は最初は、電波が悪いのかと思ったんで、何度も聞こえているかどうか確認し続けた。
でも、返事は無かった。
俺が切れてしまったのかと電話を切ろうとすると、やっと君は口を開いてくれた。
……しかし。
それは、俺にとってかなり悲痛な言葉だった―――。


