だが、幸せは永遠には続かなかった。
いきなり、茄月の父親の転勤が決まったのだ。
茄月の父親は、魔法ビジネスという会社に勤務していて、そこで外国での転勤が決まったそうだ。
俺は、その時はまだ魔法学校に入る前だった。
茄月と同じ魔法学校に通いたかった。
毎日一緒にいたかった。
これは勿論、恋人とかとしてでは無く、普通に幼なじみとしての事だった。
――あれから、もう何年経っただろう。
また、茄月と再会出来た。
それだけで、俺は嬉しかった。
「茄月。いつ戻って来たんだ?」
「うん?ただ、故郷に帰りたくなったから、お父さんにお願いして連れて来て貰ったの。」
そうだったのか……。
お帰り、茄月。
……本当は、口で直接言ってやりたかったな。
「優多は?」
「えっ?」


