一ヶ月前の夕方頃、俺は牧野さんに話があるとメールを打った。
公園のベンチで待っていると、見覚えのある人影が目に入った。
懐かしい姿だった。
おい、まさかあれは……。
「茄月(ナツキ)…?」
ある女子の名を呼んだ。
すると女の子はびっくりしながらこっちを振り返り、絶句していた。
「…!優多…?」
「…やっぱり、茄月か?」
「うんっ!優多ぁ~!」
「うわっ!」
いきなり抱き付いてきたあの子。
名前は、名嘉村(ナカムラ)茄月。
茶色混じりのベリーショートの髪の…一応、女の子。
茄月は元からこうだった。
女らしくするのが苦手で、それ所か男っぽい性格で、スタイルだって細めの黒っぽいジーンズなんか履いちゃって、男そのものだし、身長だって女子の中では一番高いらしく、人見知りもしないから、男女問わず友達が多くて、周りから大人気らしい。
そして何より、茄月は俺の幼なじみでもある。
いつも一緒にいた。
いつも一緒に遊んでた。
いつも魔法でイタズラしてた。
いつもいつも、山や林を駆け回ってた。
親友のような存在だった。


