俺はそれから、教壇に立たされている牧野さんをじっと見つめた。




わりと整った顔立ちの女の子だった。




平均身長よりちょっと低めの身長に、丸みを帯びた身体。

胸辺りまでありそうな茶色い髪を、上で縛り上げてポニーテールにしている。



制服も、彼女に本当に似合っていた。




HRが終わった後、俺はすぐに席を立って牧野さんの所に向かった。



ツンツンとつついて呼ぶと、牧野さんはいかにも面倒臭そうに振り向いた。



迷惑だったかもしれない。




でも、必死で話しかけているうちに、彼女は俺に心を開いていくようになった。




親友の陽翔にからかわれた時はさすがに恥ずかしかったけどな。




それから、俺と牧野さんはどんどん仲良くなっていった。



毎日、お昼ご飯を食べるようになり、その度に俺がとびきり美味しい料理を振る舞ってたけど、牧野さんは、一ヶ月位前から魔法もだいぶ使えるようになって、今度は俺がたまに牧野さんに料理を出して貰ってたんだけど…。




半月前から、ある事がキッカケで、全く話もしなくなり、同じクラスなのに顔を見る事も無くなった。




それは、牧野さんが、ある勘違いをしてるからなんだ。