【優多side】
――その子は、丁度2ヶ月前位に、俺が通う魔法学校へ編入して来た。
その子は、先生が扉を開けた途端に派手に転んでいた。
皆、大爆笑していた。
皆がヒーヒー言いながら笑っている時、俺は真顔でその子を見ていた。
転んだ姿とかが、滅茶苦茶可愛くてしょうがなくて、ほっとけない感じで。
そんな可愛い君に、俺は瞬時に惚れてしまった。
一目惚れってやつだ。
その子は、転んで笑われたのが恥ずかしいのか、顔が真っ赤になっていた。
しかも、耳まで真っ赤で、あの時はもう本当に興奮してしまった。
でも、自己紹介の時は堂々としていて。
「初めまして。牧野佳奈です。よろしくお願いします」
そう言い、ペコリと頭を下げた。
そうか、牧野さんって言うのか……。
俺はその時、頭に必死にメモしてた。