涙が溢れて止まらなかった。
何で…?
境本くんが誰と会っていようが…何だって良い筈なのに………。
私は、寮には戻らず、ホウキを借りたまま、魔法学校の近くのある人工山に行き着いた。
誰にも邪魔されたり構われたりされずに、ただ泣いていたかった。
「うぅっ……くっ………。」
一人声を漏らして泣いていると、携帯の着メロが静かな山に鳴り響いた。
――境本くんだ。
しゃくりあげながらメールを開くと、やっぱり境本くんだった。
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境本優多
Re:なんかあった?
牧野さん、どうしたんだよ?
何かあったの?
俺、ずっと待ってるんだけど?
早く来いよ。
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