恋スル魔女



だって、あんなにお茶目な境本くん初めて見たんだもん。




あんな可愛い一面もあるんだなって、改めて思った。




惚れ直しってヤツ?



…って、何言ってんだ私は。




何て、一人感慨に浸っていたら、境本くんが、「終わったよー」って、私を手招きしてた。




自分の机まで駆け寄ると、まずは境本くんに、



「ありがとう」



と一言、お礼を言った。




すると彼は、いきなり難しそうな顔をして私にこう言った。




「…何でお礼を言ったの?」



その質問に思わず、えっとなった。



だって、そりゃあ………



「だ、だって、境本くんは、一人の私をわざわざ誘ってくれたでしょ?だから、お礼を言ったんだけど」



わっ、ヤバい、上がってる省か、思わず早口で捲し立てちゃった。




しかも、声震えてたし、相当上がってたよね。




つくづく、自分が嫌になる。