恋スル魔女



それから、時間は過ぎていき、あっという間に午前中の授業は終了して、ランチタイムになった。




この世界でも、私の高校と同じように、誰でも好きな人と食べて良いみたい。




しかも、魔法の世界とだけあって、机の移動にも魔法を使っている。




魔法を使えないから、私は自力で机を動かした。




…と言っても、女子が相手にしてくれないから、皆の邪魔にならないように、とにかく机を教室の端っこの方に寄せるだけなんだけど。




よく見れば、こっちの世界では、昼食さえも魔法で出すらしい。




私も使えればとっくにそうしてるけど、まずこっちの世界に来たばかりの私は、勿論呪文すらわからない。




そう思いながら、内心焦っていると、後ろの方から低くて甘い声が聞こえた。




「……牧野さん?」