1新たな出会い



…………。




「…………あ、れ?」




ゆっくりと、目を開けると…。




「…あっ、気がついた」




誰かが、そう言って安心したようにホッと小さな溜め息をついた。




ゆっくりと声がした方向を見つめると、その子はニコッと微笑んだ。




「うふふ、初めまして。私、齋藤(サイトウ)鈴です。」



“齋藤鈴”と言った女の子は、肩までの髪を緩くカールさせ、目がぱっちりしていて背が低めの、とても可愛らしい女の子だった。




「……ここは…?」



キョロキョロと辺りを見回す。




代わりに、鈴ちゃんが教えてくれた。



「ここは、魔法学校の寮よ。私が一人で中庭に行ったら、あなたが倒れていたの」



これまでの事を話してくれた。




どうやら、この鈴ちゃんは魔法学校の生徒だったみたい。




「…あっ、そうだ。あなたの名前は?」



不意に、鈴ちゃんが聞いてきた。




「私は、牧野佳奈です」



そう言って、私もニコッと微笑んだ。