恋スル魔女



「…オマエノナマエハナントイウ?」




突然聞いてきた。



び、びっくりしたぁ。




「ま、牧野佳奈です」





すると、謎の女性はふんふんと頷いた。





そして、また聞いてきた。




「フム…ソウカ。デハ、オシラセノハガキヲワタセ。ネンノタメニ」






えっ!




「わ、私、忘れて来ちゃったよ?」





まさか、葉書がいるなんて思わなかったんだもの。





「ソ…ウ、カ…。ナラ、イイ…。デハ…。」






謎の女性は一呼吸置くと、さっと目を閉じ、両手を天井に向かってまっすぐに上げて、何やら呪文のような言葉をぶつぶつと唱えた。




その時、何を言っているのか、私には理解できなかった。